成田国際空港株式会社

24時間365日、一瞬たりとも止められない空港運営を支える水素燃料電池

24時間365日、一瞬たりとも止められない空港運営を支える水素燃料電池

成田国際空港株式会社様

バックアップ電源の用途と課題

絶対に止められない機器のバックアップに。

空港の安全な運航を支えるためには、万全の電源設備が必要です。
ですが、その備えがコスト増や環境負荷につながってしまうとしたら、それは解決すべき課題です。

これまで成田国際空港株式会社様では、バックアップ電源のひとつとして、鉛蓄電池UPSを採用されてきました。
屋外で激しい温度変化にさらされる鉛蓄電池は、経年劣化により電池容量が低下します。バックアップ電源としての機能を維持するためには、5~6年ごとに交換の必要が生じます。この電池交換は、費用面でも作業面でも課題とされてきました。

そこで、鉛蓄電池UPSを水素燃料電池・蓄電池 ハイブリッドUPS(ACUPS)に置き換えることで、成田国際空港株式会社様が抱える課題の解決に臨みました。
 

ハイブリッドUPSの価値

ACUPSは、まず、バックアップ電源として安心安全に機能を果たすことが求められます。 停電が起きても、10ミリ秒以下で電力供給をする一方、想定外が重なって、長時間におよぶ停電が発生しても、水素燃料を補充することで、72時間超の発電(電力供給)が可能です。
さらに、ACUPSは期待寿命15年と長く、ロングライフな製品です。従来の蓄電池システムと比べ、設備の入れ替えまでの期間が長いため、設備交換など運用に掛かる手間を省くことができます。

短時間停電時のバックアップイメージ


短時間停電時のバックアップイメージ


長時間停電時のバックアップイメージ


長時間停電時のバックアップイメージ

期待寿命15年の実現で運用省力化と脱炭素を実現

期待寿命15年の実現には、バックアップ電源として待機寿命を長期化する必要がありました。
それぞれのキーパーツは、素材レベルで15年経過しても劣化の少ない部品を選定しています。燃料電池発電部となるスタックは、発電せず待機したままでは数ヶ月で劣化の始まることがわかっていました。 これに対し、ACUPSでは、定期的にスタック内部の劣化を抑制する制御を開発、適用しています。
燃料ケースについては、水素燃料の漏出量を検証する長期保管評価を行ない、保管後の燃料ケースでも燃料電池の稼働時間に変化がないことを確認しました。

期待寿命の長期化は、生産>運搬>使用>リサイクル・廃棄と製品ライフサイクル全般に掛かるCO2排出量の削減に寄与するとともに、バックアップ電源を入れ替える手間やコストも削減します。
ACUPSは、非常事態で活躍を期待されるバックアップ電源だからこそ、平常時は静かに、エネルギー消費を抑えて、待機しています。


電源ごとのライフサイクル メンテナンスイメージ


電源ごとのライフサイクル メンテナンスイメージ

導入構成例

成田国際空港株式会社様では、系統電源のバックアップとして、2セットの燃料電池システムとUPSユニットを組み合わせた構成となっています。
燃料電池と蓄電池をハイブリッドにすることで、高出力化と出力の安定化を実現しています。

導入構成イメージ


導入構成イメージ

お客さまからの期待

空港は万が一に備えることが強く求められる社会インフラです。そのため、成田空港における設備は何重もの冗長性が組まれています。
その上で、ブラザーの水素燃料電池・蓄電池 ハイブリッドUPSは、私達が抱えていた課題を解決するのにピッタリなバックアップ電源でした。

まず、電源としての信頼性は当然として、空港敷地内に設置される機器には暑さや湿度といった環境に強いことも求められます。
ブラザーの水素燃料電池・蓄電池 ハイブリッドUPSは、これらの設置環境でも期待寿命が15年あり、ライフサイクルを通じた機器の入れ替え回数を少なくできます。メンテナンスも省力化されており、運用にかかる労力を少なくできることは魅力です。

また、水素燃料電池を導入する上で、環境への貢献も強いモチベーションです。
既設の鉛蓄電池を、水素を燃料とする電源に置き換えることや、水素吸蔵合金を利用した燃料ケースは、保管時も劣化や漏洩しづらいため、バックアップの目的に適したロスの少ないエネルギー源でもあることは、脱炭素への取り組みとして強い期待のかかるポイントでした。

ブラザーの水素燃料電池・蓄電池 ハイブリッドUPSには、脱炭素に貢献しながら、これからの空港運用を支えてくれるものとして、強く期待しています。

導入製品

水素燃料電池・蓄電池ハイブリッドUPS

クリーンで長時間発電が得意な水素燃料電池と、瞬時に電力供給が可能な蓄電池がハイブリッド。
社会インフラの広いニーズに対応します。

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